〔トピックス〕TNRと地域猫

2018年6月にフジテレビのドキュメンタリー番組である「ザ・ノンフィクション」で、広島県に活動拠点を持つ動物愛護団体「NPO法人犬猫みなしご救援隊」の活動が紹介されました。みなしご救援隊は、広島県の殺処分ゼロを成し遂げた団体として有名ですが、その手段の1つがTNR活動です。

 

TNRとは、Trup(捕獲する) Neuter(不妊手術を施す) Return(もとの場所に返す)の頭文字で、飼い主のいない猫を捕獲して、不妊手術をして、もとの場所に返し、一代限りの命を全うさせようという取り組みです。その目的は、猫の増えすぎによる苦情や殺処分を減らし、猫と人との共生を図ることです。実際に猫の殺処分数は、年々減少しており、平成19年には約20万匹の猫が殺処分になっていましたが、平成29年には約3万5千匹になっています。

 

TNRの対象となった猫は、不妊手術とともに耳の先端がカットされて、再度捕獲されることのないように目印が付けられます。不妊手術や耳をカットをすることが動物虐待に当たるのではという意見もありますが、殺処分されることなくその命を全うさせる方法として全国に広まりつつある活動です。

 

そして、戻ってきた猫を地域猫として地域の住民が温かく見守ることでその命が全うできるよう最近では地域住民への啓発活動も行われています。みなさんの住んでいる地域にも地域猫はいるのではないでしょうか、私もこの活動を知ってから、公園などに住んでいる猫を見ると、つい耳に目がいってしまいます。